【本紹介】今までで印象に残ったミステリー・サスペンス小説を3冊紹介
皆さんいかがお過ごしでしょうか。
コロナウイルスによって外出自粛する必要があり、暇つぶしに読書をされる方も増えてきているのではないのでしょうか。
今回は筆者が選ぶ印象に残ったミステリー・サスペンス小説を3冊紹介したいと思います。
天久鷹央の推理カルテシリーズ
まず紹介するのは知念実希人先生の「天久鷹央の推理カルテ」です。
ミステリー小説であり、シリーズ化もされています。
天才女医の天久鷹央が様々な科で診断困難と判断された患者に対し、自前の知識と観察眼で病を解き明かしていくというものです。
この病というものも何癖もあるもので、軟禁状態にされて異性と全く関わっていないのにも関わらず妊娠と似た症状を発症している少女や、河童を見たという少年といったもの。
作者の知念実希人先生は実際に医師資格を持っており、そのためか、ここで出てくる謎もまるで実際に現実で起きているのではないかと錯覚するほど、かなり満足できるようなものでした。
筆者にとってこの患者の謎を解き明かすという、死人の出ないミステリーというのは新鮮で印象に残っている作品です。
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火星に住むつもりかい?
次に紹介するのは伊坂幸太郎先生の「火星に住むつもりかい?」です。
これはサスペンス小説であり、現代日本に魔女狩りがあったらというお話です。
無罪の人を犯罪者予備軍と仕立て上げて見せ物のように処刑する。それを見る周囲の人間はどこか爽快感を覚える。ヨーロッパで行われていた魔女狩りそのものです。
正直、胸糞はかなり悪い作品でした。
しかし、物語の設計が良くできており、実際に魔女狩りがあったらこうなってただろうなあと納得させられる場面もちらほらと見受けられました。
筆者自身、伊坂幸太郎先生の小説は好きで、これまでに何冊も読んできましたが、その中でも「火星に住むつもりかい?」は特に印象に残った作品です。
いわゆる、伊坂幸太郎ワールドをぜひ楽しんでみてください。
最後のトリック
最後に紹介するのは深水黎一郎先生の「最後のトリック」です。
これはミステリー小説の一つのテーマである「読者を犯人にする」というものを掲げたものです。
自分自身、小説の帯に「犯人は読者自身」と書いてあるのを見て興味半分で買いました。
結論からいうと、自分はこの小説を読んで自分が犯人と納得できました。
新感覚ですよね。小説を読んでいるだけで人を殺したことにされるなんて。
「読者を犯人にする」というテーマの性質上、かなり特殊なトリックであるため、かなり人を選ぶ作品ではあります。
しかし、読んでいて読者の自分自身が犯人であり、人を殺したのだと自覚したときの感覚は他のミステリー作品では味わうことができないと思います。
是非、挑戦してみてほしい1冊です。
最後に
ここまで見ていただき、ありがとうございました。
ここで紹介した小説を読んで、さらに充実した読書生活を送ってもらえれば幸いです。